シベリア鉄道旅行記 更新中です。

311によせて

題はクンデラ著作から借用。

存在の耐えられない軽さ

不信と盲信が渦を巻く ニュースは繰り返す 安全です 安全です 直ちに健康に影響はありません ただちには、ありません 根拠ではなく、立証不可能性 広報ではなく、宣言 いつ終わるかわからないは いつまで続くかわからないになった そこに差はないはずだったが 引き算すると心が固まった 運命の日はなく いつか訪れるという予感だけがあった すべてを投げ捨てることもできず すべてをそのままにすることもできず 何かを変えなければいけない焦りに 駆り立てられ続けた なにに駆り立てられようと ニュースがなにを告げようと 日は昇り目は覚め腹は減り 仕事をし日は沈み寝に入る もともとなにもないところに なにもないことを突きつけられたのだった なにかあるはずと探してしまうが 探せば探すほど 無さが際立った 生活は続く 前とおなじ顔をして ある種の単語を目にし耳にするたび 頭の忘れかけた片隅が疼くのを感じながら