JAZZ ART せんがわ 2017終演
10周年を迎えたJAZZ ART せんがわも終わってしまった…。 jazzartsengawa.com サイトトップのスライドショーに、観客で写っている自分を発見
去年までは3日間の開催でしたが10周年ということもあり、5日間の拡大版でした。2012年に初めて見てから大好きなイベントで、今年で6年連続の観覧です。3日目〜最終日まで行きました。
今年は天候に恵まれず、公園イベントが中止になってしまったのは残念でしたが、でもせんがわ劇場のメインステージは天候関係なく、期待以上のものを体感できました。 個人的に良かったのはこちら。
そして印象に残ったのは全部、全部だ…。
クリス・ピッツィオコスのサックスも、COBRAも、サイレント映画も、「大福星」のコントラバスフルートも、ながめくらしつのサーカスも、公園イベントでの子供の乱入も、JAZZ屏風の盛り上がりも。
プロデューサーの巻上公一さん、藤原清登さん、坂本弘道さん、CLUB JAZZ 屏風キュレーターの長峰麻貴さん、公園イベントキュレーターの大隅健司さん、実行委員会の皆様、今年もありがとうございました!
このイベントがまた来年も、ずっと続きますように。
とりあえず、巻上さんがエンディングで仰っていたように、主催である調布市の市長にお手紙書きます!笑
せんがわ劇場公式Togetterまとめ
以下、感想とメモ。(敬称略)
3日目 9月15日(金)
19:30 - 21:00 John Zorn's COBRA
ジョン・ゾーンという方が考案した、即興演奏の方式。予想外だらけでホント面白い。
説明をJAZZ ARTサイトより引用。
1984年にジョン・ゾーンが作曲したゲームの理論を応用した即興演奏のシステム。約10名のプレイヤーが半円形に一人の指揮者的人物プロンプターを囲んで、19枚のカードとそれに対応したサインによって音楽が作られていく。
見ていると、だんだん指示の意味がわかってくるけど、細かく書くと興ざめなので、ぜひライブで見てみて欲しい。
山本達久(drums)、吉田隆一(baritone sax)は経験豊富で、よく場をリードしていた気がした。
坂口光央(keyboards)が引っ張ってた時の音が一番好きだったかなー。
太田恵資(violin, voice)のときはだいたい笑わされてた。
もっと見たい、毎年見たい!と思うけど、たぶんこれ準備に時間がかかるんだろうな。 経験者だけ集めればさくっとできるのかもしれないけど、初めての人はCOBRAのルールやサインを習得しないとならないし、なにより人数をたくさん集めないとならないし、調整が大変そう…という素人的感想。
4日目 9月16日(土)
巻上公一ディレクション見て、公園でビール飲みながら公園ライブ見て、坂本弘道ディレクション見て、しば田の中華そば食べて、坂本弘道ディレクション見て帰宅、という一日。
13:30 - 15:00 巻上公一ディレクション
VocColours(ヴォク・カラーズ)with 北陽一郎/小森慶子×モーガン・フィッシャー×巻上公一 Alive Painting:中山晃子
ステージにずっと中山晃子のAlive Paintingを流しながら、
1.小森慶子×モーガン・フィッシャー×巻上公一
→ 2. VocColours(ヴォク・カラーズ)with 北陽一郎
→ 全体でセッション という流れ。
1.はホントに良かった…。個人的ベストアクトのひとつ。
2.のVocColoursは平均年齢60歳?!の4人組即興ヴォイスグループ。
ついバンド構成の頭で聞いてしまうのだけど、このひとはドラム、このひとはたまに狂ったようなギターソロ弾いてる、みたいに感じられて面白かった。
Alive Paintingはほんと良くて、JAZZ ART せんがわの雰囲気にとてもよく合っていると思った。毎年見たい。
そして、巻上さんがVocColoursに出会ったという、アルハンゲリスクのジャズフェスティバルに行ってみたくなった。
16:30 - 18:00 坂本弘道ディレクション
「サイレント映画との出会い」南方美智子/七尾旅人×坂本弘道 with 映画上映・喜劇映画研究会
坂本さんの会は、JAZZにとどまらず、音楽にすら留まらず、様々な方とセッションすることが多い印象で、意外性だらけで楽しい。
今回は、100年前のサイレントコメディを流しながら、1.南方美智子のピアノ演奏、そして 2.七尾旅人×坂本弘道のセッション。
1.はサイレント映画に伴奏が添えられているような、2.はライブ聞きながらサイレント映画を見てるような、そんな不思議な感じ。
100年前のサイレントコメディは、衣装や舞台などに時代を感じさせるものの、笑いという点では今も昔も変わらないんだなーと思ったのでした。
19:30 - 21:00 藤原清登ディレクション
板橋文夫×藤原清登/BASUYAスピンオフユニット「大福星」(斎藤和志、福田亜由美)
「大福星」斎藤さんのトークがいちいちツボでした笑
フルートの種類と奏法の豊富さに驚きつつ、レトロゲーム音再現は笑い倒して、コルトレーン「Giant Steps」再現はサンプラーの使い倒しに感激してました。BASUYAも聴いてみたい。
「板橋文夫×藤原清登」は、しみじみよかった…(語彙力崩壊)。
最終日 9月17日(日)
13:30 - 15:00 坂本弘道ディレクション
中村達也+PIKA+坂本弘道 with ながめくらしつ
構成は、以下のような感じ。後半の人の出入りはうろ覚え…。
ながめくらしつのジャグリング
→ 中村達也 × 坂本弘道 入場
→ PIKA 入場
→ ながめくらしつの身体表現
→ 坂本弘道退場
→ 中村達也 × PIKA 大暴れ、退場
→ ながめくらしつのサーカス
→ 中村達也 × PIKA × 坂本弘道 入場
中村達也 × PIKA ドラムで大暴れしてるときが最高にかっこよかった。
入れ替わったりしてやりたい放題感。
サーカスは、あの劇場であんなこともできるのか、という驚き。
16:30 - 18:00 藤原清登ディレクション
坂田明+ピーター・マドセン+藤原清登/松本治Musica Immaginaria
Musica Immaginariaもよかったけど、坂田明+ピーター・マドセン+藤原清登はもっとよかったな…(主観)。
Musica Immaginariaはちょっと時間オーバー感があり、後者が短めになってしまったのは少し残念。
坂田さんはサックスよりも、ボイスが長めでした。
19:30 - 21:00 巻上公一ディレクション
ヒカシュー×クリス・ピッツィオコス
クリス・ピッツィオコス(Chris Pitsiokos)のソロ。私の知っているサックスじゃない…!!
サックスって、息継ぎの時も音を出し続けられる奏法があるんですねー、びっくりでした。(無知)
そしてJAZZ ART せんがわ恒例のヒカシュー。熱烈ファンが来ていて、歓声がすごかった。
沖至さん乱入。
最後はクリス・ピッツィオコスも参加して、全員でセッション。
感想、思いつき
「そんなのあるんだー?!すごーい!」にいるときは一番原初的な楽しみ方をしている気がする。
仕組みや構成など、理解しようとしたときにそれは失われて、言語に依らざるを得なくなっていく。
#jazzart2017
— o_k (@aewshyae) 2017年9月17日
毎年の傾向として、藤原清登さんの回はカッコいいジャズ、巻上公一さんの回は世界中のアーティストとのセッション、坂本弘道さんの回は音楽にとどまらない身体表現や映画や絵画などなどとのカオスな融合、という感じがある。
#jazzart2017 で考えたこと。
— o_k (@aewshyae) 2017年9月16日
その時の状況に適切な補助線を引く。
必要に応じて、それまでの線を無視して新しく始める。
でもその新しさには過去の残響が否応なしに残っている。
意図的にそれを避ける、重ねる、変える、歪める。
終わりはどこまで恣意的でありうるか?